EAが動かない時に見る基本用語|自動売買・認証・スプレッド・ログ確認
EAが動かない時は、EAそのものが起動していない場合と、EAは動いているものの発注条件で注文を見送っている場合があります。
たとえば、自動売買がOFF、EAの使用許可がOFF、認証が通っていない、スプレッドが広い、稼働時間外、証拠金不足、ロット条件不一致、取引時間外、ロジック条件不成立など、原因は複数に分かれます。
そのため、EAが動かないと感じた時は、画面表示だけで判断せず、Expertsログ、Journalログ、取引履歴、setファイル、EAの設定値をあわせて確認することが重要です。
この記事では、EAが動かない時に見る基本用語として、自動売買、認証、WebRequest、スプレッド、時間設定、証拠金、ロット条件、ログ確認のポイントを整理します。
なお、この記事はEAの導入確認とログ確認の基本を整理するための内容です。売買判断、推奨ロット、推奨銘柄、推奨エントリー、利益保証を行う内容ではありません。
この記事で確認すること
| 確認項目 | 内容 | EA確認で関係する場面 |
|---|---|---|
| 自動売買 | EAによる注文を許可する設定です。 | EAが発注できる状態か確認します。 |
| EA使用許可 | 個別EAの動作を許可する設定です。 | EAプロパティや端末設定で確認します。 |
| 認証 | EAのライセンスや利用条件を確認する仕組みです。 | 認証NGでEA機能が止まる場合があります。 |
| WebRequest | EAが外部URLへ通信する機能です。 | 認証や外部連携が必要なEAで確認します。 |
| スプレッド | BidとAskの差です。 | 広すぎるとEAが発注を見送る場合があります。 |
| ログ確認 | ExpertsログやJournalログを確認する作業です。 | EAが動かない理由を切り分けるために使います。 |
EAが動かないとは
「EAが動かない」という状態には、複数の意味があります。
EAがチャートに設置されていない場合、EAは起動しているが注文条件が成立していない場合、注文条件は成立しているが発注前にブロックされている場合、注文を送ったもののサーバー側で拒否されている場合などがあります。
| 状態 | 内容 | 確認するもの |
|---|---|---|
| EA未設置 | チャートにEAが設置されていない状態です。 | チャート右上表示、Expertsログを確認します。 |
| EA初期化失敗 | EA起動時にエラーで止まっている状態です。 | init、OnInit、初期化ログを確認します。 |
| 自動売買OFF | 端末側でEA注文が許可されていない状態です。 | 自動売買ボタン、Algo Trading設定を確認します。 |
| 認証NG | EAの利用認証に失敗している状態です。 | authログ、認証結果、WebRequest設定を確認します。 |
| ロジック不成立 | EAのエントリー条件が成立していない状態です。 | signal、gate、score、entry_skipを確認します。 |
| 発注前ブロック | EAが注文を送る前に見送っている状態です。 | spread_block、time_block、risk_blockを確認します。 |
| 注文後エラー | 注文要求後にサーバー側で失敗している状態です。 | retcode、order_fail、Journalログを確認します。 |
自動売買とは
自動売買とは、EAが注文や決済を行えるようにする端末側の許可設定です。
MT4 / MT5では、端末全体の自動売買許可と、EAごとの使用許可を確認する必要があります。端末側がOFFの場合、EAがチャート上に表示されていても注文できない場合があります。
| 確認項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 端末全体の自動売買 | MT4 / MT5全体でEA注文を許可する設定です。 | ボタンがOFFの場合、注文できない場合があります。 |
| EA個別の許可 | EAプロパティ内の使用許可です。 | チャートごとに確認します。 |
| DLL使用許可 | 外部DLLを使うEAで必要な場合があります。 | EA仕様により必要・不要が異なります。 |
| WebRequest許可 | 外部URLへ通信するEAで必要な場合があります。 | 認証や通知連携があるEAで確認します。 |
| 取引許可 | 口座や銘柄で取引が許可されているかです。 | trade_allowed、trade_modeを確認します。 |
EAの認証とは
EAの認証とは、EAが利用可能な状態かどうかを確認する仕組みです。
EAによっては、口座番号、ライセンスキー、期限、商品ID、認証サーバー、Google Sheets、WebRequestなどを使って、利用可否を確認する場合があります。
| 認証項目 | 内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| ライセンス認証 | EAの利用権限を確認する仕組みです。 | auth_status、auth_resultを確認します。 |
| 口座認証 | 利用可能な口座か確認する仕組みです。 | account、server、口座種別を確認します。 |
| 期限確認 | 利用期限や試用期限を確認します。 | expired、valid_untilを確認します。 |
| WebRequest | 外部認証先へ通信する機能です。 | 許可URL、通信結果、エラーを確認します。 |
| 認証NG時の動作 | EAが停止するか、注文だけ止めるかです。 | 認証NG時にどの機能が止まるか確認します。 |
認証NGとロジック不成立を分ける
EAが注文しない場合でも、認証に失敗している場合と、ロジック条件が成立していない場合では確認内容が異なります。
認証NGの場合は、EAの利用許可や通信設定を確認します。ロジック不成立の場合は、シグナル、フィルター、時間、スプレッドなどの条件を確認します。
WebRequestとは
WebRequestとは、EAが外部URLへ通信するための機能です。
認証、通知、外部シート連携、集計、ライセンス確認などを行うEAでは、WebRequestの許可設定が必要になる場合があります。
| 確認項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 許可URL | MT4 / MT5に登録する通信先URLです。 | EA指定のURLと一致しているか確認します。 |
| 通信成功 | 外部URLへ接続できた状態です。 | http_status、responseを確認します。 |
| 通信失敗 | 外部URLへ接続できない状態です。 | timeout、network_error、GetLastErrorを確認します。 |
| 認証結果 | 通信後に返る利用可否です。 | AUTH_OK、AUTH_NGなどを確認します。 |
| 外部連携停止時 | 通信できない場合のEA動作です。 | 注文停止か、通知のみ停止かを確認します。 |
スプレッド超過でEAが動かない場合
EAが注文しない原因として、スプレッド超過があります。
EAに最大スプレッド設定がある場合、現在スプレッドが上限を超えると、EAは発注前に注文を見送ることがあります。この場合、EAが止まっているのではなく、条件により発注をブロックしている状態です。
| 確認項目 | 内容 | ログで見る項目 |
|---|---|---|
| 現在スプレッド | BidとAskの差です。 | current_spread、spread_points |
| 最大スプレッド | EAが発注を許可する上限です。 | max_spread、max_spread_points |
| 発注可否 | 現在スプレッドが許容範囲かです。 | spread_ok、spread_block |
| 見送り理由 | スプレッドで注文を止めた理由です。 | entry_skip、exec_block |
| 単位確認 | points、pips、価格差のどれかです。 | point、digits、spread_price |
稼働時間外でEAが動かない場合
EAには、稼働時間や停止時間が設定されている場合があります。
時間外に注文しない場合、EAは正常に動作していても、新規エントリーを見送っている可能性があります。
| 確認項目 | 内容 | ログで見る項目 |
|---|---|---|
| 時間基準 | 日本時間、サーバー時間、PC時間のどれかです。 | server_now、local_now |
| 稼働時間 | 新規エントリーを許可する時間帯です。 | time_ok |
| 停止時間 | 新規エントリーや一部機能を止める時間帯です。 | time_block |
| 曜日設定 | 曜日ごとの稼働可否です。 | weekday_ok、day_block |
| 取引時間外 | 銘柄や市場が取引不可の状態です。 | session_check、market_closed |
証拠金不足・ロット条件でEAが動かない場合
EAが注文条件を満たしていても、証拠金不足やロット条件不一致により注文できない場合があります。
特に、GOLD / XAUUSD、ナンピンEA、複数EA運用、コピーEAでは、必要証拠金や最小ロット、lot step、最大ロットを確認することが重要です。
| 確認項目 | 内容 | ログで見る項目 |
|---|---|---|
| 余剰証拠金 | 新規注文に使える資金余力です。 | free_margin |
| 証拠金維持率 | 必要証拠金に対する有効証拠金の割合です。 | margin_level |
| 必要証拠金 | 注文に必要な証拠金です。 | required_margin、margin_check |
| 最小ロット | 注文可能な最小数量です。 | min_lot、volume_min |
| ロット刻み | 注文ロットの増減単位です。 | lot_step、volume_step |
| 注文ロット | EAが出そうとしている数量です。 | request_volume、volume_check |
ロジック不成立でEAが注文しない場合
EAが正常に起動していても、エントリー条件が成立していなければ注文は出ません。
この場合は、EAが動いていないのではなく、シグナルやフィルター条件により注文を見送っている状態です。
| 確認項目 | 内容 | ログで見る項目 |
|---|---|---|
| シグナル | エントリー条件の成立状態です。 | signal、signal_ok |
| GATE | 必須条件を満たしているかの判定です。 | gate_ok、gate_ng |
| SCORE | 複数条件の評価点です。 | score、score_required |
| SPECIAL FILTERS | 特殊な除外条件です。 | filter_block、special_filter |
| ENTRY | 最終的なエントリー可否です。 | entry_ok、entry_skip |
注文後エラーでEAが動かないように見える場合
EAが注文を送っていても、取引サーバー側で注文が拒否されたり、価格が変わったり、証拠金不足になったりする場合があります。
この場合は、発注前ブロックではなく、注文後エラーとしてretcodeやJournalログを確認します。
| 確認項目 | 内容 | ログで見る項目 |
|---|---|---|
| 注文要求 | EAが注文を送ったか確認します。 | order_send、request_price、request_volume |
| 注文結果 | 取引サーバー側の応答です。 | retcode、comment |
| 端末側エラー | MT4 / MT5端末側のエラーです。 | GetLastError |
| 約定有無 | 実際に注文が成立したかです。 | deal_ticket、position_ticket |
| 注文失敗 | 注文が成立しなかった状態です。 | order_fail、Journalログ |
GOLD / XAUUSDで確認したいこと
GOLD / XAUUSDでは、スプレッド、point、digits、tick value、必要証拠金、値幅の見方を誤ると、EAが動かない原因を判断しにくくなります。
| 確認項目 | 注意点 | 確認するログ |
|---|---|---|
| スプレッド | 通貨ペアより広く見える場合があります。 | spread_points、spread_price |
| point / digits | 設定値の単位を誤読しやすい項目です。 | point、digits |
| ロット条件 | 最小ロットやlot stepを確認します。 | volume_min、volume_step |
| 必要証拠金 | ロットや口座条件により変わります。 | margin_check、free_margin |
| 値幅 | 短時間で大きく動く場合があります。 | slippage、request_price、fill_price |
ナンピンEAで確認したいこと
ナンピンEAでは、初回エントリーだけでなく、追加ポジションやバスケット決済が動いているかを確認します。
新規エントリーが止まっていても、既存ポジションの決済管理やナンピン管理は動く仕様のEAもあります。
| 確認項目 | 内容 | ログで見る項目 |
|---|---|---|
| 初回エントリー | 最初の注文条件です。 | first_entry、entry_reason |
| 追加判定 | ナンピン条件です。 | add_check、distance_points |
| 追加注文 | 追加ポジションの注文結果です。 | add_order_send、retcode |
| 平均建値 | 複数ポジションの平均価格です。 | avg_price、basket_scope |
| バスケット決済 | 複数ポジション全体の決済です。 | basket_close、basket_pl |
| リスク停止 | 証拠金や最大ポジション数による停止です。 | risk_block、max_positions |
コピーEAで確認したいこと
コピーEAが動かない場合は、コピー元で注文が発生したか、コピー対象に含まれたか、コピー先で受信したか、コピー先で注文できたかを分けて確認します。
| 確認項目 | 内容 | ログで見る項目 |
|---|---|---|
| コピー元注文 | コピー元口座で注文が出たかです。 | source_ticket、source_magic |
| コピー対象判定 | コピーする対象に含まれたかです。 | copy_filter、include_magic、exclude_magic |
| 送信状態 | コピー情報が送られたかです。 | seq、heartbeat、send_status |
| 受信状態 | コピー先が情報を受け取ったかです。 | receive_status、last_seq |
| コピー先注文 | コピー先で注文できたかです。 | dest_order_send、dest_retcode |
| コピー先条件 | 口座や銘柄の取引条件です。 | trade_allowed、volume_check、spread_block |
バックテストで確認すること
バックテストでEAが動かない場合は、検証条件とEA設定が合っているかを確認します。
| 確認項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| EA名 | 使用したEA名を記録します。 |
| EAバージョン | 使用したEAのバージョンを記録します。 |
| 銘柄 | 検証した銘柄を記録します。 |
| 時間足 | 検証した時間足を記録します。 |
| 検証期間 | 開始日と終了日を記録します。 |
| スプレッド条件 | 固定、変動、現在値などを記録します。 |
| setファイル | 使用したEA設定を保存します。 |
| Expertsログ | entry_skip、spread_block、time_blockを確認します。 |
| Journalログ | 注文送信、拒否、テスターエラーを確認します。 |
バックテスト結果は、将来の結果を保証するものではありません。ログ確認は、EAが指定条件で過去データに対してどう動いたかを確認するために行います。
確認順
| 順番 | 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 1 | EA設置 | EAがチャートに設置され、初期化ログが出ているか確認します。 |
| 2 | 自動売買許可 | 端末全体とEA個別の自動売買許可を確認します。 |
| 3 | 認証状態 | auth_status、auth_result、WebRequest設定を確認します。 |
| 4 | 稼働時間 | server_now、time_ok、time_blockを確認します。 |
| 5 | スプレッド | current_spread、max_spread、spread_blockを確認します。 |
| 6 | 証拠金・ロット | free_margin、margin_level、volume_checkを確認します。 |
| 7 | ロジック判定 | signal、gate、score、entry_skipを確認します。 |
| 8 | 注文結果 | order_send、retcode、GetLastError、Journalログを確認します。 |
実務チェック表
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| EAが設置されている | チャート上のEA表示と初期化ログを確認します。 |
| 自動売買が許可されている | 端末全体とEA個別の許可を確認します。 |
| 認証が通っている | auth_status、auth_result、認証ログを確認します。 |
| WebRequest設定を確認した | 外部認証や通知があるEAでは許可URLを確認します。 |
| スプレッド条件を確認した | current_spread、max_spread、spread_blockを確認します。 |
| 稼働時間を確認した | server_now、time_ok、time_blockを確認します。 |
| 証拠金とロット条件を確認した | free_margin、margin_level、volume_min、volume_stepを確認します。 |
| ロジック判定を確認した | signal、gate、score、entry_skipを確認します。 |
| ExpertsログとJournalログを確認した | 発注前ブロックと注文後エラーを分けて確認します。 |
FAQ
EAが動かない時は最初に何を確認しますか?
まず、EAがチャートに設置されているか、自動売買が許可されているか、EA個別の使用許可がONになっているか、初期化ログが出ているかを確認します。
EAが注文しないのは故障ですか?
故障とは限りません。ロジック不成立、スプレッド超過、時間外、証拠金不足、認証NG、ロット条件不一致などにより、EAが正常に注文を見送っている場合があります。
認証NGだとEAは動きませんか?
EA仕様によります。認証NGで全機能が停止する場合もあれば、新規エントリーだけ止まる場合もあります。auth_status、auth_result、認証ログを確認してください。
WebRequestは何に使いますか?
EAによっては、ライセンス認証、通知、外部シート連携、集計などにWebRequestを使う場合があります。必要なEAでは、許可URLや通信ログを確認してください。
スプレッドが広いとEAは動かないことがありますか?
あります。最大スプレッド設定を超えている場合、EAが発注前に注文を見送ることがあります。spread_block、current_spread、max_spreadを確認してください。
どのログを見れば原因が分かりますか?
Expertsログではentry_skip、spread_block、time_block、risk_block、auth_statusを確認します。Journalログでは注文送信、約定、拒否、retcode、通信状態を確認します。
関連ページ
| 関連ページ | 確認目的 |
|---|---|
| FX用語辞典 | EA・MT4/MT5を使う前に確認したいFX用語全体を確認します。 |
| EAの自動売買ボタンとは | MT4/MT5でEAが注文できる状態か、注文許可の基本を確認します。 |
| FXのスプレッドとは | スプレッド拡大によってEAが注文を見送るケースを確認します。 |
| スリッページ・約定拒否・リクオートとは | 注文が出ない、約定しない、注文失敗になる場合の確認に使います。 |
| EAログとは | ExpertsログやJournalログで、EAが動かない原因を確認します。 |
| EAのVPSとは | VPS上でEAを常時稼働させる場合の環境確認に使います。 |
まとめ
EAが動かない時は、EA未設置、自動売買OFF、認証NG、WebRequest設定不足、ロジック不成立、スプレッド超過、時間外、証拠金不足、注文後エラーを分けて確認します。
画面上で注文がない場合でも、EAが正常に発注を見送っている場合があります。そのため、Expertsログ、Journalログ、取引履歴、setファイルをあわせて確認してください。
特に認証付きEA、GOLD / XAUUSD、ナンピンEA、コピーEAでは、auth_status、spread_block、time_block、risk_block、retcode、order_fail、volume_checkを確認することが重要です。
実運用前には、デモ環境やバックテストで、EA設置、自動売買許可、認証状態、WebRequest設定、スプレッド、稼働時間、証拠金、ログ出力を確認してから使用してください。
