EA開発でトラブルを避けるための仕様書の作り方
EA開発でトラブルを避けるための仕様書の作り方
本記事は、MT4/MT5・MQL4/MQL5・EA・インジケータに関する技術情報・一般的な運用知識を解説するものです。 特定の金融商品の売買、投資判断、利益獲得を推奨・保証するものではありません。
EA開発では、事前の仕様整理が不十分だと、完成後に「思っていた動きと違う」「追加修正が必要になった」「見積範囲が変わった」といったトラブルが発生しやすくなります。
この記事では、EA開発を依頼する前に用意しておきたい仕様書の作り方を整理します。
結論:仕様書は「動作条件」を明確にするための資料です
EA開発の仕様書では、以下の内容を整理しておくことが重要です。
- EAの目的
- 対象プラットフォーム
- 対象銘柄・時間足
- エントリー条件
- 決済条件
- ロット管理
- ナンピン・マーチンの有無
- ポジション管理
- 通知・外部連携
- ライセンス認証
- 納品物
- 対応範囲外にする内容
EAの目的を書く
最初に目的を明確にする
仕様書の最初には、EAで実現したい目的を書きます。
- 完全自動売買をしたい
- エントリーだけ自動化したい
- 決済管理だけ自動化したい
- 半裁量の注文パネルを作りたい
- ナンピン管理を補助したい
- Discord通知を追加したい
- 既存EAを改修したい
目的が明確だと、必要な機能と不要な機能を分けやすくなります。
対象環境を書く
MT4用かMT5用か
MT4用とMT5用では、開発言語や注文処理が異なります。
- MT4:MQL4 / EX4
- MT5:MQL5 / EX5
仕様書には、MT4用かMT5用かを必ず記載してください。
銘柄・時間足・ブローカー環境
対象銘柄、時間足、口座タイプ、シンボル名なども整理します。
- 対象銘柄
- 対象時間足
- 複数銘柄対応の有無
- 複数時間足判定の有無
- 想定する口座タイプ
- シンボル名の違いに対応するか
エントリー条件を書く
買い条件と売り条件を分ける
エントリー条件は、買いと売りを分けて記載します。
【買い条件】 ・条件1 ・条件2 ・条件3 【売り条件】 ・条件1 ・条件2 ・条件3
判定タイミングを書く
同じ条件でも、判定タイミングによってEAの動作は変わります。
- 確定足で判定する
- 現在足でリアルタイム判定する
- 新しい足ができたタイミングで判定する
- 条件成立後、次足でエントリーする
曖昧な条件は数値化する
「勢いがあるとき」「強いトレンドのとき」などの表現だけでは、プログラム化が難しい場合があります。
できるだけ、使用するインジケータ、期間、数値、比較条件、判定足を具体的に書くことが重要です。
決済条件を書く
利確・損切りを明確にする
決済条件には、利確、損切り、トレーリング、建値移動、時間決済などがあります。
- 固定TP
- 固定SL
- 反対サイン決済
- 一定時間経過後の決済
- トレーリングストップ
- 建値移動
- 含み益・含み損による決済
- 全ポジション一括決済
単体決済かバスケット決済か
複数ポジションを持つEAでは、ポジションごとの個別決済か、全体損益によるバスケット決済かを整理してください。
ロット管理を書く
ロット計算方式
ロット管理は、EAのリスクに関わる重要な仕様です。
- 固定ロット
- 残高比例
- 証拠金比例
- 倍率指定
- 最大ロット制限
- 最小ロット制限
- ロットステップへの丸め
当サイトでは、推奨ロットや資金配分の個別助言は行いません。ロット設定の判断は利用者ご自身の責任で行ってください。
ナンピン・マーチン条件を書く
使う場合は詳細が必要です
ナンピンやマーチンを使うEAでは、条件を具体的に整理する必要があります。
- ナンピンの有無
- ナンピン幅
- 最大ナンピン回数
- ロット倍率
- 初回ロット
- 全体利確
- 全体損切り
- ナンピン停止条件
- 最大ポジション数
ナンピンやマーチンを含むEAは、相場状況によって損失が大きくなる可能性があります。十分な検証が必要です。
通知・外部連携を書く
通知したい内容
通知機能を入れる場合は、何を通知するかを整理します。
- エントリー
- 決済
- ナンピン
- エラー
- 損益
- 証拠金維持率
- 認証状態
- 稼働状態
外部連携の有無
- Discord通知
- Google Sheets記録
- CSV出力
- 外部API連携
- 外部認証
外部連携では、WebRequest設定や外部サービス側の仕様も関係します。
ライセンス認証を書く
販売・配布を想定する場合
EAを販売・配布する場合は、ライセンス認証の有無を整理します。
- 口座認証
- 期限認証
- ライセンスキー認証
- 外部認証
- Google Sheets認証
販売用に整備する場合は、通常の個人利用EAより確認項目が増えます。
納品物を書く
納品範囲を明確にする
見積時には、納品物の範囲を確認します。
- EX4 / EX5ファイル
- setファイル
- 簡易マニュアル
- 確認手順
- ソースコード提供の有無
- 販売用整備の有無
- 追加サポートの有無
特段の合意がない限り、ソースコード、共通モジュール、内部ロジック、設計資料等は納品対象に含まれません。
仕様書テンプレート
以下をコピーして、見積依頼前の整理にご利用ください。
【EAの目的】 例:エントリーと決済を自動化したい 【対象プラットフォーム】 MT4 / MT5 【対象銘柄】 例:XAUUSD 【対象時間足】 例:M15 【買い条件】 1. 2. 3. 【売り条件】 1. 2. 3. 【判定タイミング】 例:確定足で判定 【決済条件】 利確: 損切り: トレーリング: 建値移動: その他: 【ロット管理】 固定ロット / 残高比例 / 相談したい 【ナンピン・マーチン】 有無: ナンピン幅: 最大回数: ロット倍率: 【通知機能】 Discord通知 / アラート / 不要 【外部連携】 Google Sheets / CSV出力 / 外部認証 / 不要 【ライセンス認証】 口座認証 / 期限認証 / 不要 【納品物】 EX5 / setファイル / マニュアル / ソースコード相談 【希望納期】 例:〇月中 【予算感】 例:〇万円前後、未定、相談したい
対応できない内容
以下の内容は、仕様書に記載いただいても対応できません。
- 勝てるロジックの提案
- 相場予測
- 売買タイミングの指示
- 推奨ロットの提示
- 推奨ブローカーの紹介
- 利益保証
- 運用代行
- 他者EA・インジケータのデコンパイル
- 著作権や利用規約に違反する改修
まとめ
EA開発でトラブルを避けるには、依頼前に仕様書を整理しておくことが重要です。
エントリー条件、決済条件、ロット管理、ナンピン、通知、外部連携、ライセンス認証、納品物を明確にしておくことで、見積や開発範囲の確認がスムーズになります。
仕様が完全に決まっていない場合でも相談は可能ですが、投資助言、相場予測、売買判断、利益保証に関する相談には対応していません。
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